栄進主義
栄進主義(えいしんしゅぎ、英語: Prefermentism)とは、Apola Trajectory世界観において成立した思想体系の一つで、「文明は常に進歩しなければ存続できない」という原理に基づいた社会哲学・政治理念のこと。
世界観の内での概要
栄進主義では人類、ひいては知的生命体を「未完成のプロセス」とみなし、科学技術・認知能力・身体構造の継続的な改善(アップデート)を文明全体の義務とおいている。
アポトラ世界観では破局的災害・人災である大災厄などの影響から、当時人類の文明が抱えた「生存問題」への解答の一つとしてこの栄進主義が生まれた。その核心はいくつか存在していて、
- 「進歩」は文明の生存条件である
- 「停滞」は文明の死であり、進歩を阻害することは避けなければならない
- 生命は更新されるべき「未完成構造」である
- 科学技術は文明の「生存本能」で、倫理に優先する
などが当てはまる。
栄進主義の社会環境下では、個人の能力向上、身体の改造、学習、合理的な判断などが「美徳」の立場と置かれている。また、栄進主義は人間中心主義的な思想ではなく、文明全体の進歩速度こそが価値の源泉とみなすため、 文化、宗教、伝統などの「非合理的要素」は必要に応じて削除、合理化、再解釈される傾向が強い。
歴史
大災厄以後、評議会連邦などで科学技術官僚層を中心に体系化されたとされ、 初期の栄進主義は「科学に基づく合理的計画による文明再建」を目的としていたとされる。
ただ次第に変質が進んでいき、
- 科学的合理性が倫理を置き換える
- 個人の進歩義務の制度化
- 肉体・精神のアップデートが当然視される
- 停滞者に対する再教育の正当化
など、現在の栄進主義に至る思想の制度化が進んだというのが全体を通した基本的な流れとなっている。思想というだけあり、穏健派から急進派までいくつかの潮流があるうえその手段や運用も異なるが、全体を通して一貫しているのは「進歩第一主義」的な側面と言えそうだ。
原則
栄進主義は教条的に見れば次の三つを原則にしている:
- 進歩の原則:文明は常に上昇・改善されるべきであり、停滞は破滅を招く前兆である
- 更新の原則:生命、社会、制度、身体、認知それらは常に更新の余地があり、改造、改善することは必須である
- 合理優越の原則:倫理、文化、感情よりも、科学的再現性、論理性、効率性が優越する
これらの三原則が基本的には栄進主義国家、組織、個人の価値観に影響を及ぼしている。
多くの場合、栄進主義国家の社会は「個人の自由は進歩に寄与する範囲でのみ認められる」という立場をとっている。
メタ視点での説明
栄進主義を一言で言うなら「科学による進歩を絶対視し、人間そのものを改善すべき未完成品とみなす思想」と言えます。ナチズムなどは民族優生思想の側面がありましたが、栄進主義は文明優生であり、「民族ではなく『進歩』を軸にしたファシズム」という構図が近いかもしれません。もしくは、「科学技術を絶対視している宗教」と形容することもできるかもしれません。
| 思想 | 栄進主義との類似点 | 栄進主義との相違点 |
|---|---|---|
| 科学主義 | 科学を主要価値にする | 科学が倫理や法を凌駕する「義務」に転化している |
| トランスヒューマニズム | 人類の改造を肯定している | 個人の自由ではなく「義務化した進化」がある |
| ファシズム | 個人よりも全体を優先 | 軸が民族ではなく「文明」に置かれている |
| ナチズム | 生物学的序列化 | 進歩の速度による文明的序列が中心に置かれている |
| 宗教 | 絶対的価値の存在 | 神は不在、「進歩」がその役割を代替している |
誤解されやすい点として、
- 民族要素が一切ない
- 科学を信仰しているのではなく、生存戦略として絶対化した
- トランスヒューマニズムとは違い改造が任意ではなく義務に近い
- 「進歩」が唯一の善という価値体系
- 道徳と科学が入れ替わっている
といったところが運用上誤解されやすい、間違って書きやすいことに注意して創作してください!
FAQ
- ナチズムですか? → 似ているところはあるけど、民族ではなく文明の進歩に軸がおかれていてより広い人・生命に適用できてしまうところが違います
- 科学万能主義ですか? → 厳密には科学を万能と見なしているわけではなく、「生存のための義務」として絶対化している点が違います
- トランスヒューマニズムですか? → 自己改善を行うことが自由ではなく「義務」で、国家規模での強制が横行している点が違います